1. COVID-19とインフルエンザの同日接種 vs インフルエンザ単独後の有害事象(ターゲット試験エミュレーション)
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372279 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372279/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
更新製剤・ハイブリッド免疫の増加で初期のCOVID-19ワクチン安全性データが現状を反映しない可能性。COVID-19+インフルの同時接種 vs インフル単独後の90日有害事象リスクを、bivalent・XBB適応・KP適応の各期間で評価。米退役軍人省の電子カルテを用いたターゲット試験エミュレーション。両接種705,124例、インフル単独1,813,205例(2022年9月〜2025年8月)。46の事前規定有害事象を3つの複合(tier 1重篤〜tier 3軽度)に分類。3複合とも群間で同様(tier 1 RR 1.03、tier 2 RR 0.99、tier 3 RR 0.99)。個別46事象中、失神(RR 1.09)・耳鳴(RR 0.95)が名目的有意だが多重比較補正後は有意なし。
PICO
- P: 米退役軍人 約252万例
- I: COVID-19+インフルエンザの同日接種
- C: インフルエンザ単独接種
- O: 90日有害事象リスクは同等。同時接種の短期安全性を支持
すでに知られていること: 初期のCOVID-19ワクチン安全性データが更新製剤・免疫既往集団を反映しない懸念があった。
本研究で明らかになったこと: 更新製剤3期間で同日接種は有害事象増と関連せず。同時接種の短期安全性を支持。
2. GLP-1系治療の規制・臨床・保険決定に実世界エビデンスを活用(NIDDKワークショップ要旨)
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372278 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372278/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は肥満・糖尿病管理を変革し適応・使用が急拡大。至適治療経路・長期安全性・多様な集団での有効性・アドヒアランス・経済的影響に重要な問いが残る。電子カルテ・クレーム等由来の実世界エビデンス(RWE)が空白を埋めうるが、不均一な保険・高い中止率・薬剤不足・調剤製剤・適応外処方などの課題がある。NIDDKが2025年5月に規制機関・ガイドライン委員会・支払者・学界の専門家を招集。知識ギャップ、RWEの実践への情報提供、実世界データの限界、バイアス低減戦略を議論。RWEは希少有害事象・長期転帰・通常診療での有効性を捉え無作為化試験を補完しうる。保険決定はMedicare・Medicaid・民間で不均一で厳密な費用便益分析が必要。
PICO
- 総説(ワークショップ要旨)のためPICO非該当(テーマ: GLP-1RAの実世界エビデンス活用と保険政策)
すでに知られていること: GLP-1RAの使用は急拡大するが、長期安全性・経済性など未解決の問いが多かった。
本研究で明らかになったこと: 堅牢なRWEが価値ベースの保険政策と最適使用に不可欠。データ基盤・解析法への継続投資が鍵。
3. GLP-1系治療の実世界エビデンス生成の方法論的アプローチ(NIDDKワークショップ要旨)
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372277 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372277/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
GLP-1RAは肥満・2型糖尿病管理を再構築し、適応拡大とともに米国で使用が急増。無作為化試験は強い有効性を示すが、実臨床での至適使用に多くの問いが残る。電子カルテ・レジストリ・クレーム等の実世界データ(RWD)が有望だが、データ品質・選択バイアス・服薬/転帰の不完全把握が妥当性の課題。2025年5月のNIDDKワークショップの2本目の要旨として、各RWD源の長所・限界と因果推論・一般化可能性を強める方法論を要約。実践的臨床試験とターゲット試験エミュレーションを、臨床・政策に関連する強固なRWE生成戦略として強調。研究デザイン・データ限界・解析法への注意が不可欠。
PICO
- 総説(ワークショップ要旨)のためPICO非該当(テーマ: GLP-1RAのRWD源と因果推論の方法論)
すでに知られていること: RWDはGLP-1RAの実臨床の問いに有望だが、バイアス・データ品質の課題があった。
本研究で明らかになったこと: 実践的試験・ターゲット試験エミュレーションが強固なRWE生成に有用。デザイン・解析への配慮が鍵。
4. 中国の2型糖尿病患者におけるBofanglutide週1回・隔週 vs セマグルチド(第2b相RCT)
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372276 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372276/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
Bofanglutideは2型糖尿病(T2DM)・肥満向けに開発中の新規GLP-1RA。セマグルチドとの有効性・安全性を比較した中国37施設の第2b相・非盲検・実薬対照RCT。HbA1c 7.0–11.0%の薬剤未使用/安定経口薬併用のT2DM成人を1:1:1:1:1で5群(Bofanglutide隔週12/18/24 mg、週1回24 mg、セマグルチド週1回1 mg)に割付。272例(平均50.8歳、HbA1c 8.35%、BMI 27.9)。24週のHbA1c変化は隔週12/18/24 mgで−1.87/−2.28/−1.94%、週1回24 mgで−2.32%、セマグルチド1 mgで−1.60%。セマグルチドとの差は隔週18 mgで−0.68%、週1回24 mgで−0.72%。消化器有害事象(多くGrade 1-2)はBofanglutide 81.8–87.3% vs セマグルチド51.9%。
PICO
- P: 中国のT2DM成人272例
- I: Bofanglutide(隔週12/18/24 mgまたは週1回24 mg)
- C: セマグルチド週1回1 mg
- O: HbA1cを有意に低下(一部用量でセマグルチドを上回る)。消化器有害事象は多め
すでに知られていること: セマグルチドはT2DMに有効だが、新規GLP-1RAの比較データが求められていた。
本研究で明らかになったこと: BofanglutideはHbA1cを有意に低下させ一部用量でセマグルチドを上回る。消化器症状は多いが概ね管理可能。
5. 診療ガイドラインにおける利害関係者関与の報告:RIGHT-MuSEチェックリスト
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372274 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372274/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
診療ガイドライン開発では関連する利害関係者グループを体系的に関与させる必要があるが、RIGHTチェックリストには関与プロセスの報告指針が不足。ガイドラインでの利害関係者関与を報告する標準化チェックリストRIGHT-MuSEを開発。EQUATOR Networkの方法とRIGHT声明開発の教訓に従い、プロトコル作成・登録・作業部会・背景調査・初期項目・合意調査・パネル討議・最終化を実施。25名のパネリスト。最終チェックリストは11項目で、用いた指針・関与方法・利害関係者の特性・関与の評価・利益相反管理をカバー。用語集と各項目の詳細説明を付す。
PICO
- 方法論論文のためPICO非該当(テーマ: ガイドラインの利害関係者関与報告チェックリスト)
すでに知られていること: RIGHTチェックリストは利害関係者関与の報告指針を欠いていた。
本研究で明らかになったこと: 11項目のRIGHT-MuSEにより利害関係者関与を包括的に報告可能。
6. 米国の人種・民族群別の肺がんリスク予測モデルの性能(Lung Cancer Cohort Consortium)
Ann Intern Med (IF 19.6) | PMID 42372272 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42372272/ | 2026 Jun 30
和訳アブストラクト
肺がん検診では人種・民族の格差が懸念される。4つの米国人種・民族群で検診適格を定義するリスク予測モデルの性能を検討したコホート研究。12コホートの50–80歳・喫煙歴あり641,830例(アジア系6,390、ヒスパニック9,781、非ヒスパニック黒人39,872、非ヒスパニック白人585,787)。16モデルの較正・識別能を定量。USPSTF-2021と同数の適格者を選ぶ閾値適用後、適格性・感度・効率(推定必要検診数NNS)を算出。全体傾向として黒人でリスク過小評価(16中11モデルで期待/観測比<0.75)、アジア系で識別能が低い(16中13)、黒人が白人より識別能低い(16中15)。同数適格化するとリスクベース戦略はUSPSTF-2021より効率が良く格差も縮小。PLCOm2012とLYFS-CTが最良(平均NNS 36.5・40.1)。ただし適格性・感度・効率と格差縮小を同時に最適化できる戦略はなかった。
PICO
- P: 米国の喫煙歴ある50–80歳 641,830例(4人種・民族群)
- 曝露: 16の肺がんリスク予測モデル
- O: リスクベース戦略がUSPSTF-2021より効率が良く格差を縮小。ただし黒人で過小評価・アジア系で識別能低
すでに知られていること: 肺がん検診には人種・民族格差の懸念があった。
本研究で明らかになったこと: リスクベース戦略はUSPSTF基準より効率的で格差も縮小。多様な集団向けのモデル最適化が今後必要。